発達障害

発達障害者支援法が成立により「発達障害」という言葉を知らない人のほうが少なくなりましたが、「発達障害」という名前だけが独り歩きしているような気がしてなりません(2016年5月に改正法が成立したことで今の流れが変わることを期待します)。

今回このサイトを作ろうと思ったとき、専門家でない私がどこまで「発達障害」について触れるべきか迷いました。というのは、本来であれば専門家でない私が発達障害のことを書くべきではないことを私自身が分かっているからです。

しかし、このサイトにたまたま訪れた人が「発達障害」について考えるきっかけになればと思い、可能な範囲で「発達障害」について触れることにしました。

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始めに

今後書いていく記事の中に「勉強はしなくてもいい」という表現が出てくるところが出て来ると思います。

これは「全く勉強をするな」という意味ではないことを、発達障害の目次ページのここに断りを入れておきます。

発達障害・軽度知的障害の場合でもできる範囲で学校の勉強はさせるべきです。ただし、定型発達の子と比べると、限界があります。定型発達の子と同じように学校の勉強をさせたり、同じような結果を出させようとしても難しいと思います。

難しいのに無理やり子供に学校の勉強を強いれば「自分はやってもできない、ダメな人間だ」と思ってしまう可能性もでてきます。

定型発達の子と同じではなく、自分の能力の範囲内で「やればできる」と思えることをさせるべきだと私は考えています。

私を含め人間は「今ここ(現在・現状)」だけを見てしまう傾向があります。予測し得ない将来ではなく、「今ここ」で起こっていることだけを見てしまいます。

しかし、子育ては「今ここ」よりも「将来(自立・社会に出る・自分で飯を食っていく)」を考えて行う必要があります。

「今ここ」だけを見ると、学校の成績だけが気になり、周りの子と同じことができない現実を変えたく、子どもに無理を強いてしまうことになりかねません。

学校の勉強ができないからといって自立ができないというわけではありません。自立をするために、今、本当にやるべきことが何かのかを考えて子育てをしていくべきだと思うのです。

専門家でもない単なる塾講師が無責任なことを言っているんじゃないと思われ方もいると思います。しかし、周りの子と同じように学校の勉強をさせることがプラスよりもマイナスになる可能性があるということを、今までの指導の中で感じることが何度もありました。

このように感じること自体が偏見と言われてしまえば何も帰すことができません。しかし、同じような考えを持ってくれる方が現れることを願い、このサイトで発達障害について私の考えを書く決心をしました。

発達障害と知的障害

発達障害と知的障害の関連は曖昧です。①発達障害の一タイプとして知的障害を捉える考え方、②知的障害、知的障害のある発達障害、知的障害のない発達障害と分ける考え方、③知的障害と発達障害を全く別のものとしてとらえる考え方があります。

ネットや本などで発達障害・知的障害について触れているものを見ると、用語の定義があいまいで発達障害と知的障害がごちゃごちゃに書かれいることもあるように思えます。

ごちゃごちゃに書かれてあるものを可能な限り的確にとらえられるように、障害者自立支援法における「発達障害」の定義と、DSMにおける「知的障害」の定義を知っておくとよいと思います。

発達障害者支援法

発達障害者支援法では「発達障害」を

自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するものとして政令で定めるものをいう。

と定義しています。ここには「知的障害」という言葉が使われておらず、「その他これに類する~」の部分に知的障害が含まれるかどうかあいまいになっています。これが発達障害と軽度知的障害の判断の曖昧さを招いている原因のひとつかもしれません。

DSM

DSM-5では「知的障害」は知的機能(言語理解・記憶判断・情報処理など)・適応機能(同じ社会で生活している同年齢の人と比べ、個人の能力・社会生活に問題がないか)の両方に欠陥がある障害と書かれています。具体的には、IQが65~75よりも低く、且つ、社会に適応することが困難であるかないかを判断基準にするそうです。

症状が似ている

発達障害と一言にいっても広汎性発達障害・ADHD・学習障害なのか素人に判断できるものではありません。また、発達障害と知的障害の症状も似ている部分も多くあるのでそれらの区別も素人には絶対にできません。

サイトなどの情報を自分の都合のいいように解釈し勝手な判断をするのは危険です。

サイトの種類

発達障害について書いてあるサイトがたくさんあります。それらのサイトは大きく分けると次の3種類に分けられます。

  1. 専門家などによる啓蒙(情報提供)
  2. 当事者によるケース開示
  3. 発達障害・知的障害者を対象にした塾

専門家や専門的知識を十分に持った人たちが自分たちの活動を広めたり、悩んでいる人たちのために情報提供をするサイト。当事者が自分のケースを公表することで同じ状況にいる人たちの励みや対応の仕方などを教えようとしているサイト。これらの多くは参考にできます。

しかし、発達障害・知的障害者を対象にした塾が作成しているサイトは注意が必要です。発達障害・知的障害のことについて書き、不安をあおって高額な入学金・授業料を得ようとしていることが多いからです。

特に学習障害・軽度知的障害を対象に「必ず成績は伸びる」「周りの子と同じくらいの成績が取れるようになる」などのキャッチコピーを書いているサイトは注意してください。

確かにやり方を工夫すれば学習障害・軽度知的障害でも成績は伸びる可能性が高いです。実際にそのような塾を利用することで状況が少し変わる可能性もあります。しかし、限界があります。努力を続けたとしても期待以上の結果が現れることはないはずです。

全てがそうだとは言えませんが、発達障害の子を対象にした塾は人の弱みに付け込んで利益を得ることを第一に考えているような気がしてなりません。

週1回60分で月の授業料が何万もする怪しい塾を利用するよりも、地域にある放課後デイサービス(問題のあるところもたくさん出てきたので利用するときは下調べをしてください)を探すことを勧めます。

何を信じればいいの?

信用できるサイトでも、微妙に書かれてある内容が違ったりします。医師・公的機関・スクールカウンセラーなどの専門家から異なった診断を受ける(そもそも医療・教育機関は発達障害にかんする呼称が異なります)こともあるはずです。

発達障害・軽度知的障害は個人により差があるので、現れる症状は個人により異なるからです。同じ診断名がついているからといって同じような症状がでるわけではありません。

知能指数・合併症・生育環境の違いによりどのような症状がでて、どのようなことに困難を生じるのかが変わってきます。

ですので、私を含め、非専門家が書いているネットなどの情報を鵜呑みにして勝手な判断をするのは危険です。非専門家が書いているものは独りよがりで偏った内容になっている可能性のほうが高いです。

ネット情報はあくまでも参考にする程度にとどめてください。明らかに学校生活・社会生活に問題が出ている場合、必ず専門知識を持っている人に相談をしてください。どこに行けばいいのか分からない場合、学校のスクールカウンセラーに相談するか市役所・区役所に問い合わせください。