小学3~6年生を対象に哲学対話を行います(状況によっては中学生も対象にするかもしれませ)。

参加してみたいな~と思ってくれた人は「イベント情報」を参照ください。

哲学対話とは

言葉で説明するよりも実際に見てもらったほうがイメージができると思うので

哲学対話のやり方を紹介しているユーチューブを張っておきます。

哲学対話は頭のいい人が難解な問題をう~ん、う~んと自分の人生を掛けて悩むようなものではなく

「友達って多い方がいいの?」

「勉強ってなんでするの?」

「学校に行かなくてはいけないのは何で?」

といった、

一つの答えがないことについて子ども同士で話し合うものです。

なぜ哲学対話なのか

山口周さんの『ニュータイプの時代』を読んで初めて聞いた言葉「VUCA」

  • V:Volatility(変動性・不安定さ)
  • U:Uncertainty(不確実性・不確定さ)
  • C:Complexity(複雑性)
  • A:Ambiguity(曖昧性・不明確さ)

一言で言うと

先が読めない変化が激しい社会

なんですが

そんな社会に生きている私たちがこれから求められるのは

自分で考え、人の話を聴き、他者と上手にコミュニケーションを取る能力なはずです。

哲学対話はまさにこれ

人に耳を傾け自分で考え、コミュニケーション能力を高めるのに役立ちます。

先が読めず唯一の正解がない現代社会を生きていくために

哲学対話を通じて自分で問題を作り自分なりの答えを出す癖をつけることで

自分が生きたいように生きることができる力を養っていけるというわけです。

ものすごく大切な能力なのに

学校の勉強をしているだけでは決して身に付けることが出来ない力

それを手にするために哲学対話を利用しましょう。

 

と言ってもまだ説得力が足りないですよね・・・。

ということで

上で紹介した本の触りの部分を自分の考えを加え要約したので読んで見てください。

 

昭和30・40年代がどういう時代だったかを想像してください。

その当時は、白黒テレビ、冷蔵庫、洗濯機が三種の神器と呼ばれるほど重宝され時代です。

今では想像できないくらい不便な社会だったはずですよね?

その不便を解消するために、先進国の技術を真似ることでいつの間にかに日本は先進国の仲間入りし、経済大国と言われるようになれたわけです。

これってラッキーだと思いませんか?

不便さという問題が最初からあったから、その問題を解決するために上手に真似ができさえすれば経済的に発展できることが分かっていたわけですから。

当時の人はそれが分かっていたから、知識・技術を高めるため、そして、その能力があることを客観的に示せるようにレベルの高い大学を目指していたわけです。

しかし、21世紀になった現在はどうでしょうか?

勉強をして知識・技術を高めたからといって経済的に豊かになれることも幸せになれること保証されていません。

なぜ保証されなくなったのか?

それは、物質的に人間が必要とする便利なものがほとんど作り出されてしまったからです。

不便さという問題が初めからあれば

そのために何をすればいいかが分かるけど(勉強ですよね)

不便さという問題がなくなってしまった今

何をすればいいのか何が正しいのかが分からなくなってしまったんですね。

だから、勉強をして知識・技術を高めたとしても、

やるべきことが分からんければその能力は宝の持ち腐れ、どうにもならないわけです。

そんな時代に必要なのはなんだと思いますか?

誰も気づいていない問題を発見し、意味を創り出す力です。

問題がないのなら、問題を自ら探すしかありません。

自分で問題を探してそれを解決することで道を開拓していくんです。

では、子供たちがそういう力を手にするために何をすべきか?

そこで登場するのが

他者との対話を通じて問題を探し自分なりの答えを出す訓練に最適な哲学対話(こども哲学)です。

今後、人が求める力が何なのかを考えれば

目先の結果だけを気にして知識を詰め込むだけの勉強だけではダメだということは分かってもらえるはずです。

哲学対話

やりましょう。

進め方

以下の順序で哲学対話を進めていきます。

アイスブレイク

初めて会う子といきなり話をしようとすると緊張をしてしまうのでアイスブレイクから始めます。

アイスブレイクにはいろいろなやり方がありますが

哲学対話をするために集まってくれた子に一番いいのは

好きな映画は?

最近買ってよかったものは?

今一番欲しいものは?

自分の性格を一言で言うと?

宝物は何?

最近笑ったことは何?

幸せって思うときはどういうとき?

というような質問を

参加者の1人が質問者になって他の参加者に質問をしていく

質問ゲームだと思います。

その場で質問を考えるのも難しいと思うので

事前に質問リストは用意しておきます。

問(とい)について話しあう

哲学対話にはいろいろなやり方がありますが

福岡シーニュでは問をあらかじめ決めておき、それについて話し合います。

例えば、

  • なんで勉強をしなければいけないの?
  • 思ったことは何でも口にしていいの?
  • お金がなければ生きるために食べ物を盗んでもいいの?
  • 親の言うことは絶対に聞かなくてはいけないの?
  • 自分の考えは自分のもの?(オリジナルとコピペ)
  • 一人でいるの友達といるのどっちがいい?
  • 人はなぜ死ぬの
  • 早く大人になりたい?
  • どうすれば幸せになれるの?
  • 地球環境悪くなっても経済発展を優先させるべきなの?

といった問を事前に公表しておくので

話してみたいな

と思った問に参加してください。

終わり

参加者共通の答えを出して終わり。

という訳ではありません。

具体的な答えを出すのではなく

話の流れを振り返り対話の前と後で自分の考えがどのように変わったのか他者の意見で考えさせられたことは何かなど話し合い

自分なりの考えを簡単に文章でまとめてもらって終了になります。

哲学対話のルール

以下の8つが哲学対話のルールになっています。

  1. 何を発言してもよい
  2. 他者が発言したことに対して否定的な態度をとらない
  3. 発言せず、ただ聞いているだけでもよい
  4. お互いに問いかけるようにする
  5. 知識ではなく、自分の経験に即して話す
  6. 話がまとまらなくてもよい
  7. 意見が変わってもよい
  8. 分からなくてもよい

哲学対話はディベートではないので相手を打ち負かすことが目的ではありません。

他者が発言したことが明らかに差別的発言で許されないものでない限り、否定的な態度を取ってはいけません。

発言せずに聞いているだけでもいいですが、何も考えずにその場にただ座っているだけではだめです。

そんなときでも自分の中でいろいろと考えるように。

人数

人数が少なすぎては話し合いができないのでファシリテーターを除き、5名を最少催行人数にします。

人数が多すぎて集まったみんなで同じ空間を感じることが出来ないのも嫌なので、定員を12名までにします。

えんたくん

哲学対話について本を探していたら「えんたくん」というものを見つけました。

えんたくん革命 1枚のダンボールがファシリテーションと対話と世界を変える

丸い段ボールを4・5人の膝にのっけて即席の机を作れちゃいます。

いつもの長机やテーブルの替わりに「えんたくん」を囲んで座ると、初対面でもおのずと映画尾が生まれて対話が弾み、なじみのメンバーでも遠慮なくホンネの話ができるようになります・・・。

と、本の帯に書かれているのですが、まさにその通り。

でも、コロナ禍では使えないですね・・・

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