小学校・中学校のときも勉強はせず、高校生になっても勉強をしない。
「このままでは大学に行けない」と不安に思っている親もいるでしょう。
はたして、勉強をサボり続けていた子が高校になってから急に勉強するようになるのでしょうか。
もくじ
高校になったら始めるか
小・中と勉強をさぼっていた子が高校になってから勉強を始めることは、ほぼ考えられません。
残念ですが「高校生になってもやっぱり勉強をしない」という悩みを持った親は、進研模試で偏差値50以上の大学への進学は諦めてください。
どれだけ「勉強をしなさい」と言っても、親離れをしている普通の高校生は聞く耳を持ちません。
ましてや、中学の時に親の言うことを聞かずに勉強をしなかったのだから、高校になってから急に親の言うことを聞くようになるわけありません。
「高校になったら自分の将来を考え勉強をするようになるかも」という期待をしているなら、その期待はすぐに裏切られるでしょう。
中学で何も努力をしてこなかった子は、漠然と、「将来大丈夫かな」と思うかもしれませんが、少なくとも、勉強をさぼり続け何においてもやる気がなく、ただ何となく普通科に進学した子は自分の将来は考えられません。
「いや、それでも環境が変わることで変わるかもしれない」とそれなりの偏差値の大学に進学してもらいたいと、諦められない親もいるでしょう。
確かに、努力をし始める子はいますが、それでも大学には行けません。
小中と勉強をさぼってきた子が高校になってから急に勉強を始めても、中堅以上の大学に進学するのはそもそも不可能に近いのです。
なので、もし、この記事を見ている人が全く勉強をしない中学3年生の親で、且つ、普通科に進学させようとしているのであれば、普通科への進学はやめたほうがいいと思います。
工業・商業・農業・美容・福祉系など普通科以外の学科に進めば、高校卒業後は就職です。
何も考えていなくても、就職を意識せざるを得ない状況になります。
また、受験勉強は嫌いでも、自分の興味のあることなら必死になれる子は多くいます(多くとは言っても3割もいないでしょうが)。
普通科に行けば、何もしないでダラダラ過ごしてしまうだけで貴重な3年間を無駄にしてしまうこともありますが、普通科以外の学科に行けばその可能性を減らすことができます。
普通科に行って名前を書けば合格できる大学に進学するか、普通科以外の学科に行って自分の興味に基づいて努力するか、どちらを選んだほうがいいか、分かるはずです。
多くの親は学校のテストの点数や高校進学に関してはものすごい関心があるのに、子供が大人になったときのことを考えていません。
子どもは目先のことしか見えないのは仕方がありませんが、親が目先のことしか見えなくてはいけません。
高校・大学への進学は手段であり目標ではありません。
手段が目標になってしまっている親は注意してください。
大人になったときに自分の力で食えるかどうか、に目を向けるべきです。
なぜ大学に行けないか
「中学の時に勉強をしなかった子が中堅以上の大学に進学できない」と上で断言しました。
その理由を書いておきます。
「能力不足」「努力の未経験」のせいで勉強を継続的にする力が身についていないからです。
高校で習う内容は中学で習う内容の何倍もあります。
中学の時にそれなりに努力をした人でも学校の授業についていけずに、低偏差値の大学にしか進学ができないこともあります。
ましてや、中学の時に勉強をほとんどせず、名前を書けば合格できる高校に進学してしまった子が少し努力をしたからといって、どうにかなるものではありません。
偏差値50以下の公立高校、特進の進学実績は良いが普通科は名前を書けばだれでも合格できるという私立高校の普通科に在籍している高校生。
このような子たちがどういう状況にいるのかを書いておきます。
なお、ここでは中学の時はそこまで努力をしなかったが、高校に進学してからほんの少し努力をし始めた子に限定して話しています。
農業・工業・商業系の高校、中学のとき同様ほとんど勉強をしていない人の話ではありません。
能力不足
低偏差値の高校の授業内容は簡単です。
中学1年とまでは言わないが、中学で習う基礎の基礎に時間をかけるところが多いはずです。
授業内容がものすごく簡単なので、勉強に興味を持ち始める子も中にはいます。
定期テストでは80点以上が取れ、科目によっては100点を取れるかもしれません。
周りの子が「全くできない」と言う中、中学の時に中くらいよりも少し下にいた自分が、クラスでは上位、学年でも20番以内(もちろん特進と普通科はテスト内容が異なるので順位付けの時には特進は含まれない)に
そして、「もしかしたら大学に行けるかもしれない」と思い必死に努力をし始めてしまうのです。
しかし、学校の定期テストで80点以上、クラスで上位になれたところで進研模試で偏差値50以上を取ることはできません。
地元の中堅私立大学の判定はE、よくてもDになるはずです。
学校で簡単な内容をしているので自分ができるようになった気にはなりますが、他の進学校に進んでいたとすれば、学年最下位を争うくらいの実力なのです。
これは3年生になったときも変わりません。
学校で簡単なことしかやっていないのだから、それを受けるだけでは大学入試に必要十分な知識を身につけることができないのです。
もし、学校の定期テストで点数を取ることだけを意識した勉強を3年間続ければ、どれだけ勉強をした気になっても、通常の受験生との能力差は狭まるどころか、広がります。
大学には行けないのです。
経験不足
勉強習慣のない子が「本気で勉強してみようかな」と急に思い立つことが稀にあります。
しかし、1時間もすれば「あ~疲れた」「ちょっと休憩」となります。
気合を入れて「睡眠時間を削ってでも1日8時間は勉強する」と意気込んでも(睡眠時間を削るのはダメです)、気合を入れるだけで終わります。
仮に机に向かっていたとしても、集中して勉強する時間は8時間のうち1時間もないでしょう。
努力の経験がなければ、継続して勉強をすることができないのです。
中学の時に1日1時間の勉強を継続し、高校受験のときは3・4時間必死になって勉強をするという経験をしていなければ、大学受験に耐えうる量の勉強はできないのです。
「合格したい」「勉強をする」という気持ちが強く、自分の中では「努力している」と思っていたとしても、努力の経験のない子は努力をしている人の努力がどの程度なのかを知らないので、それに気づかなければ差を埋めることなどできないのです。
努力の経験をしたことのない人が周りに多くいる普通科の中でどれだけ努力をしたとしても、その程度はたかが知れているのです。
大学には合格できないのです。