算数・数学ができないというときによく挙げられるのは
- 繰り上げ・繰り下げができない
- 計算ミスをする
- 文章題ができない
- 図形・グラフが分からない
こういったことです。
もくじ
数学が苦手とは?
計算をするときに「繰り上げ」「繰り下がり」に困難がみられ計算が苦手という場合も、計算ができないのではなく、視覚認識やワーキングメモリに問題である可能性が考えられます。
計算ミスを繰り返すのは短期的に記憶にとどめることが難しい(ワーキングメモリが弱い)ことが原因であることが多く、式を丁寧に書いたり落ち着いて解くようにすれば、すぐに改善されることもあります。
「図形・グラフが分からない」のは空間認知力に何か問題があるのかもしれません。
これらに困難を抱えている場合「数学が苦手」だと考えても良いと思います。
しかし、通常学級に通っていて「数学ができない」と悩んでいる子の多くは、このような数学的要素で悩んでいることは少ないのではないでしょうか。
実際に、10年以上塾講師をしていますが、分数・少数の計算、簡単な掛け算・割り算ができない子に会ったことはほとんどありません。
文章題ができない
「数学ができない」と悩んでいる子の多くが苦手としているのは「方程式・関数の文章題・証明」です。
そして、「できない」と悩んでいる子の大半が計算ができないのではなく、文章を理解することができていないだけです。
なぜそのように断言できるかというと、「文章題ができません」と悩んでいる子でも、一度問題の解き方を教えれば(単に解く順番を覚えさせるだけでなく、なぜそうなるのかの理解をさせます。極端に苦手の可能性がある子と、勉強をしていなかっただけで、やればできる子の間には明らかな差がみられます)、数字を変えたほぼ同じような問題を解いてもらえば正解に達することが多いです。
パターンを覚えてしまえば、意味が分からなくてもその通り解けば答えが出てくるからです。
つまり、計算はできているのです。
私は単にパターンを覚えさせるだけでなく理解を伴わせるように指導をするので、仮に理解ができているのであれば、なにもしなければ2・3か月後にはやり方を多少忘れはしますが、数日後に忘れるということは考えにくいです。
しかし、極端に勉強が苦手な子の場合、数日後に同じような問題を解いてもらうと、解く様子から明らかに困惑している様子が見られ、一から説明をし直さなくては解けないのです。
これを考えると、「意味を理解していない」「暗記ができていない」ことが原因であり、計算に問題があるわけではない可能性が高いということが分かるはずです。
やるべきこと
やるべきことは文章を読む力を身につけることです。
計算ができないことで悩む子は計算の練習をするべきですが、計算ができているのであれば計算をさせ続けても数学ができるようにはなりません。
文章題を解くときに何も考えずに数字を指揮に当てはめることを止めましょう。
分からないものを「x」「y」と置いたのであれば、その「x」と「y」が何を表しているのかをじっくりと考えてください。
「2x+y=145」という式を組み立てたときは左辺の「2x」と「y」が何を表し、右辺の「145」が何を表しているのかをしっかりと把握させてください。
数学が苦手な子は、左辺が「合計の人数」にもかかわらず、右辺が「増加した人数」「お金」「%」だったり、等式が成立していないことが普通にあります。
定期テストでは学校で習った通りの手順で意味が分かっていなくても数字を当てはめるだけで正しい等式を作ることができますが、入試では無理です。
入試ではその場で初めて見る問題を読み、自分の頭でどのような式にするかを組み立てる必要があります。
答えが合っているだけで満足している子は受験期に必ず躓きます。
数学に苦手意識を持っている子がいる親は注意してください。
ただし、「文章を理解する力がない子もいる」ということに注意してください。