【努力に見合う点数が取れない】学年が上がるにつれ定期・実力テストができなくなる

中学1年の1学期は何とか300点以上は取れたけど、2学期・3学期になるにつれ成績が下がり続け、2年になるころには200点前後になってしまう子がいます。

その多くは努力不足によりますが、そうでない場合も考えられます。

努力に見合う点数が取れない

どれだけ勉強をしても成績が伸びない子がいます。

「成績が伸びない」には程度の差があり、定期テストで10点台しか取れない子、50点台くらいをとるのがギリギリな子、実力テストになると全く点数が取れなくなる子、さまざまです。

「50点が取れるなら、80点以上も取れる」と思われる方がいるかもしれませんが、どうやっても無理な場合もあります。

「社会で80点が取れるなら他の科目でも同じくらい点数が取れるに決まっている」と思われる方もいるかもしれませんが、社会で80点取れるからと言って英語・数学で80点が取れるとは限りません。

「1年の時にできていないかったものが3年になってからできるようになっている。できるようになったのだからもっとできるようになる」と思われる方もいるでしょう。

しかし、そううまくは行かない場合もあります。

もちろん、努力不足により取れないということもありますが、努力をしても取れないことがあるのです。

  • どれくらいの努力をしているか
  • 勉強のやり方は正しいか
  • やる気の度合いはどれくらいか
  • 何が苦手で何が得意か

このようなことを普段の生徒の様子からある程度把握している塾講師なら、努力不足が原因なのかどうかはある程度分かるかります。

もちろん「どれだけ教えてもできない」からといって、「この子は何をしてもできない」と勝手な判断はしません。

できるようになるために様々な工夫をし続けますが、なにをどのように工夫しても一向に変化が見られない場合「努力不足以外に原因があるかもしれない」と思わざるを得なくなります(その場合でも勝手な判断はできない)。

無理やり勉強をさせる?

経験上2・3回繰り返せばできるようになる内容を、30回も40回も同じことを繰り返し教えてもできるようにならない子もいます。

暗記ができる量、覚えたことを忘れてしまうスピードにも個人差がかなりあります。

暗記できる量に多少があることや忘れることは当たり前ですが、それが極端な場合があるのです。

なぜ、できないのか

それは「やる気」の問題かもしれませんし、「聞いているフリ」の可能性もあります。

今まで全くできなかったことが急にできるようになる可能性も考えられます。

ただ「周りと比べて努力に見合う結果を出せていない」ということは確かです。

それを学校の先生や塾講師の努力不足にすることは構いません。

しかし、なぜできないのかを考えることなしに、指導に原因があるとして塾を変えたり部屋に閉じ込めて無理やり勉強をさせ続けても大丈夫なのでしょうか?

(閉じ込めて勉強をさせても親がそばにいなければ絶対に勉強をしないので、時間を無駄にするだけです)

1日3時間の勉強を各科目偏りなく毎日必死でしているのに、定期テストで10点~60点くらいしか取れないのであれば勉強をしている本人も相当の苦しみを感じているはずです。

そのような子に無理やり勉強をさせても悪循環になるだけだと思います。

「勉強をしろ」⇒「嫌々ながら勉強をする」⇒「成績が伸びない」⇒「勉強しろ」⇒「嫌々ながら勉強する」⇒「学年が上がるごとに成績が下がる」⇒「勉強しろ」・・・。

これの繰り返しです。

単なる努力不足が原因なら、無理やり勉強をさせられても成績が伸びることで「やろうかな」という気になることもあるので一定の効果はあります(私は強制的に勉強をさせることに反対ですが)。

しかし、努力不足が原因でない場合は勉強をしても成績が伸びないので「やろうかな」と思うどころか「やってもできない」とやる気をなくすだけでなく、自分に劣等感を持つようになるかもしれません。

勉強をしているのに思ったように成績が伸びない子には「勉強をしなさい」と無理やり勉強をさせる前に「勉強のやり方」「努力不足」が原因なのか、それともそれ以外が原因なのかを親が把握する必要があると思います。