中学校の〇〇が1冊でしっかりわかる本シリーズです。
現在は
- 中学校の地理が1冊でしっかりわかる本
- 中学校の歴史が1冊でしっかりわかる本
- 中学校の公民が1冊でしっかりわかる本
- 中学校3年間の数学が1冊でしっかりわかる本
- 中学校3年間の英語が1冊でしっかりわかる本
- 中学校3年間の英語が1冊でしっかりわかる問題集
の6冊が中学生用のものとして発売されています。
このシリーズは見た目がものすごくいいので、手に取ったときにしっくりくる人が多いと思います(内容も悪くない)。
しかし、見た目が良いからといって中身が自分に合っているかどうかは分かりません。
本屋で立ち読みをして「なんか違うかも」と思ったら別の参考書にしましょう。
もくじ
地理・歴史・公民
ページを開いたときに「なんかよさげ」と思う人が多いはずです。
地理は導入部分がその先を読みたくなるように工夫されています。
たとえば、「PART2世界各地の環境と人々」では
富士山よりも標高が高い地域ってどんなところ?
- 高知は寒さが厳しい、降水量が少ない、日差しが強い!
- 高知の人々は標高にあわせた栽培をしている!
歴史では、そのページで学ぶ内容を始めに大づかみしています。
たとえば、「PART3近世の日本と世界」では
徳川家康が開いた江戸幕府とは?
- 関ケ原の戦いに勝利した徳川家康が、江戸幕府を開く!
- 将軍が大名に地方支配を任せ、幕藩体制を作る!
- 武家諸法度、禁中並公家諸法度をつくって統制をおこなう!
公民では、単元ごとに大切な部分を始めに強調しています。
たとえば「PART3現代の民主政治と社会」では
お金がなくても選挙権を持っている!
- かつては選挙権に財産と性別の制限があった
- 選挙制度は小選挙区制、大選挙区制、比例代表制の3種類
用語の単純暗記しかできない今までの参考書と異なり、「なぜ?」が分かるようになっています。
写真や絵も適度に使われてヴィジュアル的には一見すると見やすい漢字を受けます。
以下、それぞれの表紙に書かれてある内容をまとめてみます。
地理の表紙には「日本と世界の『なぜ?』が見える!」
- 短時間で基本から理解できる
- 入試前の総復習に
- 新聞・ニュースの理解が深まる
歴史の表紙には「『暗記』が『理解』に変わる。」
- 2時間で一気に読める
- 入試前、定期テスト前の総復習に
- 社会人の教養の定番所として
公民の表紙には「解説が面白いから記憶に残る!」
- 2時間でテスト前の総復習
- 社会のつながりとしくみが見える
- ニュース・新聞の意味が理解できる
といったことが書かれています。
でも、このような表紙を見てしまうと「いったい誰を対象に書いているの?」と思ってしまいます。
中身も(特に公民)はものすごく良さげな導入の仕方なのですが、子どもの親世代(30代後半~40台前半)が読んだら、「そうだよね~」と思えても、子どもが読んだら「難化読んでいて意味が分からん」と思えるはずです。
あと、少し読んでみて私が感じたのは、重要箇所の強調の仕方が微妙なところです。
勉強に慣れていない中学生には「えっ、どこを覚えればいいの」と頭がぐちゃぐちゃになるかもしれません。
一見した時の見た目の良さで「分かりやすそう」という気になるとは思いますが、意外とそうでもないことに注意してください。
覚えなくても良い内容まで覚えこもうとし、必要以上に勉強時間がかかってしまう可能性があります。
そうなる可能性が本当に高いと思うので、勉強に慣れていない中学生はこれを使うのはやめておいた方がいいかもしれません(高校入試対策の本としては適さない)。
また、流し読みをすれば基本的な内容の確認を2時間できますが、中学生が2時間くらいでテスト前の総復習をしたり一気に読むのは難しいです。
読んでいても「だから何なの?」とイライラしてくることがままあります。
マイナスなことをたくさん書いていますが、この参考書が悪い参考書化と言われればそうとは言えません。
どちらかと言えばよい部類にはいるはずです。
人によって合う合わないは異なるので、もしかしたら私には合わないだけの可能性もあるので、気になる人はとりあえず1冊買ってみてください。
社会の公立対策としてお勧めなのは「中学面白いほどわかる本」です。
※ 大人の学び直しには使えると思います。
数学
必要事項(超基礎)が簡潔にまとめられています。
問題自体が簡単なので、学校の授業についていくことができるくらいの実力があるなら問題なく使えると思います。
ただ、ページ数が少なく、公立入試に必要十分な内容とは到底言えません。
また、内容も簡単すぎるので「完璧に分かる」と思えるまでこの参考書をやったとしても、実力テストで偏差値50以上を取ることも微妙だと思います。
もちろん、数学が不得意な子が「まずは基礎を」という理由で使うのは問題ありません(数学が苦手な子が独力でこの参考書を使えるとは思えませんが)。
この参考書が終わった後に標準的な問題集をしっかりと解くようにしてください。
なお社会同様、数学の表紙も誰が対象なのか分からないことが書かれています。
- 短時間で基礎から学びなおせる
- つまずくところをしっかりカバー
- ケアレスミスがなくなって得点アップ!
「はじめに」、学びなおしや頭の体操をしたい大人、子供に数学を教えたい親も対象と書いてあるとおり、利用するとすれば中学生ではなく大人だと思います。
※3年間で習う超基本的内容が1冊にまとめられているので、中学1・2年生の自学用には向いていません。
英語
中学で習う英語は実際はたいした量ではないのに、中学3年間でだらだら習うことでやることが大量にあると勘違いしてしまいがちです。
この参考書は144ページと薄く、公立高校入試に必要な文法事項であれば、完璧に身につけることができます。
ただ、地域で行われている実力テストで偏差値が55未満くらいの英語力しかない子にとって英語を独力で勉強することは難しいです。
この参考書はかなりわかりやすく解説がされていますが、英語が苦手な中学生には理解はできない可能性が高いです。
塾に通わない子で中学英文法をしっかりと身につけておきたいと思っている、そこそこ英語が得意な中学生にはかなりお勧めできます。
なお、英語の表紙に「大事なことだけギュッと凝縮!」
- 英語の成績がみるみるアップ
- 受験前の総復習に
- はじめてのTOEICテスト対策に
- 時間とお金をかけずに基本をマスター
社会同様「誰に向けた参考書なんだ」と思ってしまいますが、そこそこ英語ができる中学生には使えることは間違いありません。
なお、英語には「問題集」もありますが、単語暗記や過去問や実力テストを利用して学ぶほうが成績が伸びると思います。