参考書 vol.1

今まで出されてきた類書と一線を画す

超、お勧め現代文重要キーワード・単語集

現代文の解説書を読んだり問題集をいくらやってもしっくりこない・成績も伸びない

一体、何をどうすればいいのか分からない

という悩みを抱えている大学受験生にお勧め!!

 

 

タイトル 基本用語から最新概念まで 現代評論キーワード講義
作者 小池陽慈
発行日 2023/3/14
出版社 三省堂

 

ダントツNo1

大学受験生用の現代文評論キーワードとして有名なものに

  • 現代文キーワード読解(Z会)
  • ことばはちからダ!現代文キーワード(河合出版)
  • 生きる現代文 キーワード(駿台文庫)

といったものがあると思います。

これ以外にも「キーワード」ではなく「現代文単語」という形で出されているものもありますし

小池陽滋が出している【マンガでわかる現代文重要単語】もあります。

小池のはテイストが他と異なりますが

正直なところどれも似通ったもので

「高校生から現代文用語集でお勧めなものはありますか?」

と尋ねられたら

ペラペラめくってみて自分にシックリ来るものを選びなさい。

と答えていたのですが

これからは

この手の参考書の中で群を抜いている

「基本用語から最新概念まで 現代評論キーワード講義」

を勧めることにします。

厳選された近現代100語

おそらく著者は100のキーワードに限定されていなければ

もっと別の言葉も伝えたかったはずです。

100個に限定されたならこれという厳選された言葉を選んでいるはずなので

「この言葉がないな」と思うものがあるかもしれませんが

そこは仕方がありません。

そもそも言葉は無限に作られるので

あれがないこれがない

と言ってもキリがありません。

著者の厳選100語を確実に自分の言葉として使えるようになってしまえば

難しい評論問題が読みやすくなる

ことは間違いないです。

それに厳選100語を解説している文章で使われている難しい言葉は青字で記され

下欄にその意味と類義語、対義語、関連語、同音異義語などが掲載されているので

それらを含めて覚えてしまえば

もう怖いものなし・・・・

なはずです。

分かりやすい

この手の参考書は、用語の解説をした後、実際の入試でその用語が使われた文章を使って用語の理解を図るようになっています。

しかもその用語解説は

文章を読んだこと経験があまりない子にとっては

おそらく、苦痛にしか思えないものも多く

で、結局どういうこと????

となるのではないかと思います。

今回紹介した参考書も購入するまでは同類だろうと思っていたのですが、全く違うものでした。

キーワードひとつ一つに筆者が具体例や引用文を使い

これ以上分かりやすく説明するのは不可能

と思えるくらい分かりやすい説明をしてくれています。

分かりにくい解説とその用語が使われている他者の文章をそのまま引用して終わり

になっている他の多くの参考書とは次元が違う分かりやすさです。

 

もちろん、言葉そのものが難しいので

書かれてある内容を理解するにはそれなりの学力が必要なのは言うまでもないですが

捉えにくい評論用語をここまで分かりやすく伝えることができている類書はありません。

もし、これを読んでも何を書いているのか分からないという場合・・・

どうすればいいんだろうか?

とふと思ってしまいました。

どうすればいいんだろう?

難しい文章を読んだ経験がない

ライトノベルの類ではなく簡単に読むことができない評論書・新書を読んだことがない子

模試や入試で問題を解くために文章を読むだけで、書かれてある内容に興味を持ったことがない子

にとっては

なんか面白くない…

これを読んで何になるの?

この参考書のすごさには気づけないかもしれません。

 

現代文にまったく関心のない子は

学校の教科書に書いてある文章を

ただ定期テストのためだけに読むだけでなく

著者がその文章で何を伝えたいのかしっかりつかむように読んでみてください。

 

問題に答えるためにだけに文章を読んでいたら

文章を読む本当の意味をつかむことができないのであまりにももったいなさすぎます。

難しい文章を読んで、それがどういう意味なのかを自分なりに理解することを続ければ

現代文の勉強が、受験だけでなく、自分という人間を形成するために大いに役立ちます。

それは断言します。

 

人間は言葉を使ってしか思考はできません

使える言葉の量が増えれば増えるほど自分の思考力を高められるようになります。

現代文の勉強はそのためにあると思ってください。

そうすれば現代文を学ぶ意味が見えてくるはずです。

この参考書を「凄い」と思えるようになったとき

それはあなたという人間が一つ成長した証拠にもなりますよ。

ブックガイド

この参考書は危険です。

著者が書いている説明があまりにも面白いので

本文中で紹介されている本をあれこれと読んで見たくなるんです。

本を1冊読めばその著者が出している他の書籍を読んだり

読んだ内容に関連する本を手にしたりすることがあるのが普通だと思うのですが

この参考書は大量の本から上手に引用をしていることもあり

何十冊も読みたい本が出てきてしまうんです。

 

巻末にはテーマにあった本が紹介されているので(中には漫画も紹介されている)

関心を持ったテーマを手にしてみてください(本の難易度も提示してくれているのでまずは読みやすいものから読んでみてください)。

 

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