地球温暖化を抑えるために
世界が今までしてきたこと
そして
自分たちができることは何か
を知ることが出来る本です。
『地球温暖化を解決したい――エネルギーをどう選ぶ? (岩波ジュニアスタートブックス)』
もくじ
気候変動は大したことない?
産業革命以降(18世紀中頃)、人間の活動によって地球の温度が1度ほど上がりました。
そして、何も対策をせず今の状態がずっと続けば、21世紀末には気温が4度以上、上がることが予測されています。
たった4度じゃん
それとも
4度も!!
どうとらえるかは人によって異なると思いますが
地球の平均気温の変化で見ると、
今から1万5000年前の氷期の時代と
今
の気温差はわずか4度から7度くらいしか上がっていないと聞いたらどう思いますか?
2021年から2100年のわずか80年間で4度も平均気温が上昇するわけだから
4度ってかなり大きい数字ですよね?
それに、4度上がるとどうなるか
日本では夏の気温は40℃以上になるのが当たり前になり
熱中症で亡くなる人が年間1万5000人
農作物の生産が減る
局地的に激しい雨
低地浸水・河川の氾濫
台風の超巨大化(中心気圧870・瞬間最大風速90m/s)
もし本当にこんな風になったら普通に生きていけないですよね。
もちろん、このようなことになるのは日本だけではありません。
世界で同じような異常気象(異常気象が当たり前になったらそれは異常気象ではなくなりますが)発生するようになるわけです。
将来の危機よりも目先の利益を重視してしまいがちなのが人間と言うものですが
さすがにこういう予測を知ってしまうと
将来自分は死んでいるから今さえよければそれでいいなんて考え方が薄れ
未来に生きる人が地球で生きていけるように
今を生きる人がやるべきことがないか、真剣に考えるようになりますよね?
気温上昇を完全に抑えることはできない
残念なことに、気温上昇を完全に押さえることはもうできないとのことです。
何もしなければ4度以上上がってしまう平均気温を1.5度~2度の上昇に抑えること
それが今を生きる私たち人間ができることなのだそうです。
二酸化炭素を多く排出している国
【JCCCA】のデータを見ると
中国(28.2%)・アメリカ(14.5%)・インド(6.6%)・ロシア(4.7%)・日本(3.4%)・ドイツ(2.2%)・韓国(1.8%)・カナダ(1.7%)・インドネシア(1.5%)・メキシコ(1.4%)が
二酸化炭素排出量の多い国トップ10です。
全部足すと10か国で世界の排出量の66%を占めていることが分かります。
余り二酸化炭素を排出していない国からすると
何もしていない自分たちが、なんで勝手に二酸化炭素を出しまくって地球を壊している国から被害を受けなくてはいけないんだ
と怒りたくなるはずです。
いえ、上位10か国の中でも排出量の差が大きいので
排出量が少ない国からすれば多い国に
二酸化炭素をそんなに使うんじゃない
と文句を言いたくなりますよね?
だって日本は3.4%なのに、中国は28.2%、8倍以上も輩出しているんだから。
でもですね排出量を人口で割って、1人当たりでみると
アメリカは1人当たり14.6%
韓国は11.7%
ロシアは10.6%
日本は8.9%
ドイツは8.7%
中国は6.7%
インドは6.6%
アフリカ諸国平均が約1%
どうですか?
1人当たりの数字からみると
日本は世界で4番目に二酸化炭素を消費している国になってしまいます。
これをどう見るか?
全体の排出量が少ない日本が頑張っても全体の排出量はほとんど変わらないから総排出量の多い中国・アメリカが努力さえすればいいと思うか。
僅かかもしれないけど、日本が見本となって排出量削減のために努力をし、今後排出量が確実に増えてくるアフリカ諸国の見本になろうとするか。
さあ?あなたはどう考えますか?
温暖化対策とは?
温暖化は化石燃料(石炭・石油・天然ガス)エネルギーによって引き起こされるみたいです。
であるなら、世界が化石燃料をなるべく使わない生活に変えていけば温暖化が抑えられますよね?
でも、化石燃料って何に使われているんでしょうか?
普段何気なく生活していると気づくことはないと思いますが、
実は
自動車や飛行機を動かしたり、工場の機械を動かしたり、電気をつけたりするために
化石燃料を燃やしているんですよ。
私もこの本を読むまではそういうことはあまり意識したことがありませんでした。
でも、自動車に乗らない生活、工場を稼働させない生活、電気のない生活、そんなことできるわけないですよね。
ではどうすればいいか?
①省エネルギーを進める
エネルギーを使う量そのものを抑える
使うエネルギーの効率を高める
②二酸化炭素を出さないエネルギーに変える
二酸化炭素の排出がより少ないエネルギーに変えていく
二酸化炭素を出さないエネルギーに変えていく
著者はこの2つが重要だと書いています。
この本はただ読んで終わりの本ではなく、読んだ後にエネルギーについて考え調べたくなるような作りになっています。
この本がきっかけになり将来あなたが温暖化を抑えるための仕事に就きたい思うようになってくれれば
著者も嬉しいと思います。
一点注意してもらいたいことがあります。
『科学者の9割は地球温暖化CO2犯人説はウソだと知っている』
『地球はもう温暖化していない』
『地球温暖化説はSF小説だった』
など、地球温暖化を否定する主張をしている人も多くいます。
中学生にはまだ難しいと思いますが
高校・大学生になったときは
この本に書かれてあることだけを読んですべてを知ったような気にならず、さまざまな情報と比較したうえで自分はどうすればいいかの判断をしてください。