この本は
国際連合の事務次長として軍縮問題を担当している中満泉さんが
2019年4月から2021年1月まで
その時々の出来事について
毎日小学生新聞に連載された「地球を変えるあなたへ」に加筆修正をしてまとめたものです。
もくじ
小学生でも読める
小学生新聞に掲載されていたものなので、中学生だけでなく、小学生も読めます。
扱っている内容は
- 軍縮
- 平和
- 環境
- 人権
- 格差
- ジェンダー
についてが主になっています。
特に軍縮・平和については
日本の多くの小中学生にとっては世界ではそんなことが起こっているのか~
と驚くはずです。
この本を読むことがきっかけになって、日本だけではなく世界に目が向くようになるかもしれません。
とはいっても、子供にとっては関心が薄い内容とは思うので
親が子にこの本を読んでもらいたいと思ったら
読み聞かせをするのがいいかもしれません。
環境
今の地球環境は、気候変動ではなく、もはや「気候危機」というべき状況で
今の速度で温暖化が進めば、生態系に取り返しのつかない影響があり
このままだと、北極圏や南極で氷が予想以上の速さで溶け、80年くらいで1メートル以上の海面上昇が起こるかもしれない。
そうならないために、各国の努力で2050年までに二酸化炭素排出ゼロにする必要がある。
ということが簡潔に書かれています。
この本を読んで、環境に関心が向かえば
を読んでみましょう。
軍縮
2019年は対人地雷全面禁止条約(通称オタワ条約)が実施されて20周年の年だったみたいです。
対人地雷って何だと思いますか?
人や動物が踏むと爆発する爆弾なんですが
それが地中に隠されているんです。
だからどこに爆弾があるのか見分けがつかないので
ちょっと散歩をしに行っただけなのに地雷を踏み大けがをしてしまう
なんてことが起こるわけです。
しかも、対人地雷は人が死なない程度の爆発のようで、爆弾を踏んでしまった人は体の一部を失い、その体で一生生きていかなくてはならなくなります。
想像しただけでも怖いですね。
驚くのは対人地雷が埋められた数です。
1990年代半ばには65か国に約6000万個、6000万個ですよ。
の地雷が埋められ、2万4000人の被害者を出していたと言われているみたいです。
人間がこのような恐ろしいものを、いくら戦争だからといって、埋めてしまうなんて・・・。
この地雷問題の解決には、天文学的時間と費用が掛かると言われていたようですが、オタワ条約ができて大きく前進しているとのことです。
関心のある子は自分で調べてみましょう。
格差
国際NGO(非政府組織)「オックスファム」が、格差について書いた報告書によると
世界のトップ1パーセントの大金持ちが持つ資産は、世界の人口約77億人中69億人(約90%)が持つ資産の2倍もあるのだそうです。
世界に100人の人がいると仮定すると
トップの1人が100万円持っているとすれば90人が合計で50万円しか持たないことになります。
お金を人数で割れば一人当たり0.55万円になります
お金を持っている人が一人で大量に持ち、それ以外の人はほとんどお金を持つことができないのが
現在の資本主義社会というわけですね。
この構造はよほどのことがない限り変化しないと思いますが
個人的には
これからの社会は経済の視点からみるのではなく
自分の人生を選択することが幸せになるかという視点でみていくようになってくると思っています。
いかに人よりもお金を稼ぐか
ではなく
自分を含む世界の人たちがいかにして幸せに暮らせるようになるか
という視点から行動をする人が増えてくると思っています。
著者の希望
著者の希望は、「みなさん」だそうです。
世界の出来事に興味を持ち、自分に何ができるかを考えてくれる「みなさん」。
身の回りのおかしいと思うことに声をあげ
よりよい未来をつくるための戦いに参加してもらいたいと書いています。
学校の勉強をしっかりとして基礎学力をつけるだけでなく
世の中に関心を持ち、よりよい社会を作るために自分ができることを探していく。
そういう人が社会にたくさん生まれてくれば、自然と社会は良くなっていくはずです。