中学受験や難関私立高校を受験する場合は塾の情報が広く出回っているのでそこまで難しくありません。
いくつかの塾を体験して一番しっくりくるところを選べば失敗することはあまりないと思います。
ですので、ここでは塾選びで迷うことが多い、公立中学に通っている子の塾の探し方・選び方をまとめることにします。
もくじ
形態を決める
集団授業・個別指導(家庭教師)いずれの指導形態を選ぶことが先決です。
大まかな目安として
学校の授業についていけるがトップ校を狙うほどの実力がない偏差値48~60くらいのこは集団授業
トップ校を狙う実力があり難しい問題を個別に対応してもらう必要がある子は個別指導
学校の授業についていくことに難しさを感じている子は個別指導
で集団か個別を選べばいいと思います。
ただし、集団授業の中には私の塾のように勉強が苦手な子には個別に対応するなどしてくれる個人経営の塾もあるはずです。
そういう塾が近所にあるならば、個別よりも集団に入った方が成績が伸びる可能性は高いでしょうし、料金も低く抑えられます。
個別指導塾の宣伝に惑わされ「個別に対応してくれた方が成績が伸びる」と勘違いしている人が多いので、集団よりも個別のほうが需要がありますが安易に個別を選ぶとお金を無駄にするだけの場合があるので注意してください。
また、映像授業・通信教育などを選択することも考えるべきです。
映像授業や通信教育でも勉強ができるタイプの子ならわざわざ塾を利用する必要はないので塾探しもする必要がなくなります。
塾の形態ごとの特徴を書いているので比較してみてください。
補習塾・進学塾どちらを選ぶか
大手の集団授業の塾は学力に応じてクラス分けがされているので考える必要のないことですが、クラスが2つくらいしかない中小規模の塾はそうもいきません。
通う王としている塾が補習塾なのか進学塾かを確認する必要があります。
選び方は
学校の授業についていけないのであれば補習塾
偏差値の高い高校を目指すなら進学塾
と単純に決めてもいいのですが、やる気があり現在の実力以上の志望校を目指すのであれば補習塾を選ばない方がいい場合もあります。
始めは補習塾に通わせて、勉強の習慣がついてきたら進学塾に移るなど、状況に応じて塾を変えるなどしてください。
補習塾は定期テスト対策をすることが大半で入試対策が不十分になりがちなので、目標とする高校が偏差値50台後半の場合、学び続けても合格できるかどうかは微妙です。
「実力にあわせてた授業をしなければ意味がない」ということは間違いではないのですが、いつまでも低いレベルに合わせて授業をしても、一定のレベルに達してからは成績が伸びなくなります。
やる気があり、勉強にも慣れてきたのであれば多少自分の実力よりもレベルの高い授業を受けさせる方が成績が伸びる可能性が高まります。
「選ぶ塾を間違えている」も参考にしてください。
授業見学
個別指導塾は教室内の雰囲気を見せてくれることが多いはずなので見せてもらってください。
可能であるなら生徒がたくさん来ている時間帯に、飛び込みで見学することを勧めます。
そうすればその塾の雰囲気をほぼ確実につかめるからです。
集団授業の場合、大手塾では看板講師の授業を映像で見ることができる場合もありますが、そのような塾は多くありません。
小規模の塾ではまずないと思います。
また、大手塾の下のクラスの授業はとても親に見せられるものではないはずなので、見学ができるとすればトップクラスの授業だけだと思います。
ちなみに私の塾では体験授業の時(マンツーマンで行っている)は見学をしたいと言われればしてもらっていますが、通常授業は断っています。
これは授業を見せられないというわけではなく、新規入塾を考えている子の親御さんに対してであっても、関係のない在塾生の姿を見せることに抵抗があるからです。
なので、授業見学をさせてくれない塾だからといって、それだけで良い塾かどうかの判断はできないので塾選択の時の要素に含める必要はありません。
面談・体験授業をする
複数の塾を見て比較をしなければ、どのような雰囲気が自分に合っているかを知ることができません。
無料で体験できる塾が大半なので、少なくとも3つは体験をするべきだと思います。
面談・体験授業で確認したほうがいいのは
- 雰囲気
- 講師のやる気
- 指導力
- 授業レベル
などです。
なお、大手の個別指導塾では指導力のある学生講師が体験授業を担当しているので実際に指導をしてくれる講師とは違うことが大半です。
親はその点をしっかりと確認してください。
なお、授業料が高い塾は講師が固定の場合が多いですが、1対2以上の個別指導塾の大半は講師が毎回変わるところが多いです。
「塾の面談・体験授業でチェックする内容」も参考にしてください。
通いやすさも重要
通塾の時間も塾選択の重要な要素です。
自転車でゆっくりとこいで片道20分以内で通えないのであれば、よほど理由がない限り近所にある別の塾を選ぶべきです。
中学生であれば週に2~4回は塾に通うことになるはずです。
1か月くらいなら我慢できるかもしれませんが、時間が経つにつれ塾に通うことが負担になる可能性が高いです。
「電車やバスを使えばいい」という人もいるかもしれませんが、往復500円くらいの交通費がかかるとすれば、週3回通うだけで6000円前後必要になります。
短期間であれば負担に思えないようなことでも、長期間になるとそうでないこともあるので、家と塾の距離も重要な要素になるということも忘れないでください。
ちなみに、私の塾には自転車でくれば40分以上はかかるであろうところに住んでいる方から問い合わせがくることもあるのですが、入塾を断っています。
例外的にどうしても入塾したいという高校生は受け入れています。
去年は元サッカー部で体力のある子が親の送り迎えが大変だろうと天気が良ければ片道40分以上かけて通塾していました。
また、電車・バスで1時間以上かかる子も通塾してくれました(入塾前にしっかりと話し合いをし受け入れることになりました。その子が第一希望の大学に合格できたときは本当に嬉しかったです)。
授業料
中学3年間塾に通うとなると50万円~200万円くらいになると思います。
毎月の授業料は安く見えたとしても、授業料以外に必要なお金が結構あり当初思っていた金額の倍以上支払う羽目になることもあります。
そうならないよう、卒業するまでのトータルの費用を事前に聞くことを勧めます。
教えてくれなかったり、言葉を逃がす場合想定外のお金が必要になることを覚悟するか、費用を正確に教えてくれる塾に入ってください。
「中学3年夏期講習の授業料」と「塾代はお金の無駄」も参考にしてください。
友達の紹介
今までほとんど勉強をしたことのない子が「塾に通いたい」と急に言い出すことは意外とあります。
それが中学3年進級時や中学3年の夏休みであれば本気で勉強をする気になったと判断しても構いません。
しかし、小学生、中学1・2年生が「塾に行きたい」と言ってきたら、慎重になってください。
塾は生徒を確保するためにクオカードや文房具、その他グッズを用意しています。
新規入塾をした子と紹介をした子がそれぞれ5,000円程度のクオカードがもらえたりするので、それを期待して塾に入りたがるのです。
8割がたそれが目的だと思って間違いないです。
しかし、それまで勉強をしてこなかった子が、必死な表情をして「塾に行かせて」と言ってきたら親はじっくり考えることなしに塾に入れてしまいます。
「多分クオカードが目的だとは思うけれど、こんなにやるって言っているんだから本当にやってくれるかもしれない」と淡い期待して入塾させても裏切られると思ってください。
本気度を確かめたければ「行きたい」と言った塾ではなく親が行かせたいと思っていた塾に通うように勧めてみてください。
「いや、絶対に〇〇塾じゃなければ嫌」「そこじゃなければ成績が伸びない」という言葉が返ってきたら塾に通わせるのは待った方がいいです。
「友達の紹介」で塾を選ぶのは慎重になってください。
「勉強嫌いの中学生を塾に入れてもだめか?」も参考にしてください。
実績
ほとんどの方が分かっていると思いますが大手塾の合格実績はあてになりません。
大手塾のトップレベルクラスは信用があるので成績の良い子がたくさん集まります。
塾の規模が大きければ大きいほど実績が出るのが当たり前です。
その実績を見て「うちの子も〇〇高校に合格できるかもしれない」と思っても夢で終わります。
大手塾の中~下のクラスは講師の質が良くないことが多いですし、下のクラスは授業が成立していないこともあります。
ただ塾に通うだけで何もしないということにさせたくないのであれば個人経営の塾も選択肢の一つとしてしっかりと調べることを勧めます。
定期テストで平均点くらいしか取れない子は大手塾に進学するよりも中小規模の塾に通ったほうが成績が伸びる可能性が高いはずです。
ただし、個人経営の塾だからというだけで選んではダメです。
個人経営の塾は玉石混交なので注意してください。
「入塾テストを行わないのに実績ある塾」
ネットのランキング
塾がお金を払って広告を出しているだけなので全く当てになりません。
誰もが聞いたことのある塾、特に個別指導塾は広告にかなりのお金を使っています。
雑誌・新聞・CM・ネットなど月額で何千万円も費やしています。
CMを頻繁に流しているところはCMだけで年間20億近くの広告費を使っていますし、すべて合わせれば40億円以上の年間広告費のところもあります。
少し古いですが、東洋経済の「広告宣伝費」ランキング2015をざっくりと見てみると、年間5億円以上広告費に使っているそれなりの知名度のある大手塾がいくつかありました。
それくらいのお金を広告に使えるのだから、月のPV(閲覧数)が数十万の塾紹介サイトに支払う広告費など屁でもありません。
知名度があるということはそれだけ広告にお金を掛けられる塾ということです。
視点を変えれば授業料にしわ寄せがあるということになります。
自分に合う塾を探すには、やはり体験をするしかないと思います。